テーマ別の公開ルームに入ると、多くの場合、会話はすでに途中から始まっています。前の話の続きがあり、何度か言葉を交わした人どうしの呼吸もあります。そこに新しく加わるのは、一対一で最初から話し始めるのとは少し勝手が違います。うまくいかないときの原因は、性格や話のうまさではなく、入り方の手順にあることがほとんどです。
まず、読むだけの数分をつくる
入ってすぐ話し始める必要はありません。最初の数分は、何の話をしているのかを把握する時間に充てます。話題そのものだけでなく、どんな調子で進んでいるかにも注意を向けます。
- 今、中心になっている話題は何か
- 冗談を交わす場か、落ち着いて話す場か
- 短く打ち合う流れか、長めの文章でやり取りする流れか
この三つが分かれば、自分の一言がその場から浮くことはかなり減ります。黙って見ている時間は失礼ではありませんし、あとから振り返ると、いちばん役に立った数分になっていることも多いものです。
最初の一言は、自分より話題に向ける
新しく入ったとき、つい自己紹介から始めたくなります。ただ、進行中の会話にとっては、知らない人の経歴よりも、今の話題に対する反応のほうが受け取りやすいものです。
たとえば旅の話が続いているなら、「その街は夜に着くと迷いやすいですよね」といった一言のほうが、会話に自然につながります。自己紹介は、やり取りが始まってからで遅くありません。順番を入れ替えるだけで、入りやすさは変わります。
流れを自分のほうに引き寄せない
加わった直後に、まったく別の話題を出したり、長い持論を書き込んだりすると、それまでの会話は一度止まります。止めるつもりがなくても、結果としてそうなります。
最初のうちは、すでに出ている話に一つ足す形を心がけると安全です。話題を変えたくなったら、今の話が一区切りついたタイミングを待ちます。「さっきの話に戻りますが」「別の話でもいいですか」と前置きを置くだけでも、受け取られ方はずいぶん違います。
合わないと感じたら、静かに離れる
数分いてみて、話の調子が自分に合わないことは普通にあります。無理に合わせ続けると、疲れるうえに会話も弾みません。一言あいさつをして出る、あるいはそのまま静かに退出する。どちらでも構いません。
公開ルームは、居続けることが目的の場所ではなく、たまたま合う話題と合う相手に出会えれば十分な場所です。合わなかったときに落ち着いて離れられることは、うまく入る技術と同じくらい大事な力だと思います。